宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース131号 2014.7.30

2014.07.30

目次

① 平成26年度宮城県作業療法士会の活動方針 …  上遠野純子
② 平成26年度会員交流会(新人交流会)の報告 … 安達健朗
③ 平成26年度定期総会の様子
④ WFOT2014への参加 … 角山亮祐
⑤ 職場紹介 訪問看護ステーション青葉 … 及川貴枝
⑥ つぶやきコーナー … 大場郁美
⑦ 編集後記 … 義野知里

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①◆平成26年度宮城県作業療法士会の活動方針◆

 

会長 上遠野純子

新年度を迎えはや3ヶ月が過ぎ、会員の皆様には慌ただしい毎日をお過ごしのことと存じます。
先日6月1日には当法人の26年度総会を開催し、昨年度の活動報告ならびに本年度の活動内容の概要を説明させて頂き、全ての議案に承認を頂きましたこと会員の皆様には厚く御礼申し上げます。
今回のニュースには今年度の活動方針の概要を説明させて頂きたいと思います。あわせて、詳細は総会議案書に記載しておりますので是非ご一読下さい。

さて今年度の県士会の活動に関しては、4つのキーワードを掲げました。
①連携②人財育成③啓蒙④組織力強化です。
当法人も一般社団法人格を取得して5年が経過し、他職種との連携事業も増え、その中では作業療法士への期待や要望も数多く聞かれています。
またここ数年、後援依頼等も増えていることは、当士会の、地域医療や保健・福祉向上ために果たす役割の大きさを裏付けていると考えます。
私たちは、周囲の期待の大きさを実感しながらも、積極的な行動をとっていたでしょうか。
他職種が集う場では、お互いにその専門性を尊重しながらも、作業療法士として果たす役割を認識し、より良く連携する方法を会員ひとりひとりが体得していかねばなりません。
また当士会で行ってきた災害支援活動においては、作業療法士の技術は震災後の県民生活の復興支援に大いに役立ったと認識しています。
避難所支援に引き続き,継続的な応急仮設住宅での支援活動では、領域を超えた幅広い知識と技術、即応力と実践力を兼ね備えた作業療法士が求められています。
次世代を担う若い作業療法士が、地域で活き活きと作業療法を展開出来るようにするためにも、作業療法で用いる技術の習得や展開しやすい作業活動のスキルの向上を目指した研修活動を県士会活動でも展開して行きたいと思います。
そして地域になくてはならない存在として作業療法士があることを実現し、作業療法士のさらなる職域拡大を図って行きましょう。
また、啓蒙活動についてですが、広報活動の充実は、将来的にはより良い人材の確保に繋がっていくことですので、より積極的にアピールして行きたいと思います。
今回県士会ホームページをリニューアル致します。
内容の充実をはかることはもちろんのこと、より見やすく、使いやすいものにして行くことを考えております。
啓蒙活動におけるホームページの役割も大きく、会員の皆様のご意見も伺いながら、内容の充実を図って行きたいと思いますので、是非ご意見をお寄せ下さい。
当士会の会員数もまもなく800名を超えようとしている今、大きな組織として社会の注目を受けていることは前述の通りです。
この現実をむしろ強みとして新たな県士会としての事業を展開すべく積極性を持った運営を心がけて、活動を展開して行きたいと思いますので、何卒会員の皆様のご支援ご協力を今後ともお願い申し上げます。

 

②◆平成26年度会員交流会(新人交流会)の報告◆

 

福利部長 安達健朗

6月1日日曜日、東北保健医療専門学校にて平成26年度会員交流会(新人歓迎会)を開催いたしました。
この交流会は、新入会員の皆さんが県士会員として、共に働く仲間と交流する機会を提供できればと、福利部の事業の一環として毎年定期総会の昼休みを利用して開催しております。
ブロックごとに用意されたテーブルに分かれて軽食をとりながらお互いの顔合わせや先輩OTとの交流を行ないます。

今回は昨年の60名をはるかに上回る101名の会員が参加し、大いに盛り上がりました。
予想参加人数を大幅に上回り、用意していたオードブルだけでは足りなくなり、急遽福利部員が食事の追加のため会場周辺のコンビニを走り回るといううれしい誤算もありました。

多くのブロック長の方々にもご参加いただき、各ブロックの活動報告やPRをしていただきました。
それぞれのブロックの特色を知ることができ、ブロック間で積極的に情報交換をされている会員の方々も見受けられました。
養成校を卒業して間もない新入会員の方にとっては同級生との久々の再会の場にもなったようです。
また、今回は9月に岩手県で開催される第25回東北作業療法学会のPRもあり、宮城県のみならず東北の作業療法の現状についても知る機会になりました。

このような交流会を通して、職場内のOTだけでなく、ブロック内のOTと、そして県内のOTと繋がりを持ち、お互いが協力していけるようなきっかけとなって頂ければ幸いです。
今回参加して下さった皆さんも、参加できなかった皆さんも、またのご参加をお待ちしております。

福利記事写真

 

③◆平成26年度定期総会◆

6月1日に平成26年度の定期総会と合わせて、新人オリエンテーション、会員交流会が行なわれ100名を超える方たちが参加されました。
こちらではその様子を写真でご紹介します。

『定期総会』

定期総会① 定期総会②

『会員交流会』

会員交流会① 会員交流会②

 

④◆WFOT2014への参加職場紹介◆

 

介護老人保健施設なとり 角山亮祐

6月18日から開催されたWFOT2014(第16回世界作業療法士連盟大会・第48回日本作業療法学会)に参加してきました。
世界作業療法士連盟大会はアジアでは初めての開催となり、日本の方はもちろんですが海外からも多くの方が参加されていました。
4日間にわたって行なわれた学術プログラムでは、テーマごとに様々な国の方々がそれぞれの国での取り組みについて発表されていました。
国際学会ということでプログラムの多くは英語でしたが、同時通訳があったこともあり英語の苦手な私も講演や様々な発表を聞くことができました。

今回、私は発表者として参加させていただき、当施設での生活行為向上マネジメントを活用した取り組みについて発表を行ないました。
WFOT2014は私にとって初めての国際学会であり、わからないことも多く、英語での抄録の作成、演題登録と発表にいたるまで困難なことも多くありました。
しかし、昨年の準備期間から多くのご指導をいただけたことでなんとか発表当日を迎えることができました。
発表はポスターで行ない、1時間程度のフリーディスカッションという形式でした。
当日は日本の方だけでなく海外の方への対応も想定しながら資料を用意し、ポスターの前で緊張しながら簡単な英語の挨拶などを思い出していました。
発表の際は海外の方から会場の案内を頼まれるといったまさかの事態もありましたが、つたない英語とジェスチャーを交えたコミュニケーションで対応しつつ、発表の場では様々な領域で働くOTや学生と幅広い方々と意見交換をすることができ、今後につながる良い経験をさせてもらいました。
気がつくと1時間という時間はあっという間に過ぎ、緊張しつつも楽しかったと感じる充実した時間を過ごさせてもらいました。

WFOTについては、学生の頃から知ってはいたものの、あまり縁がないものだと思っていました。
今回、参加するチャンスをいただいた当初も言葉の壁を感じ、不安も多くありました。
しかし、学会を振り返ってみると、多くの方々と出会い、様々なお話を聞くことができ、「楽しかった」ということが一番の感想です。
今回得ることができた貴重な経験をこれからに生かしていきたいと思います。

次回、第17回世界作業療法士連盟大会は南アフリカでの開催となります。
日本からの移動はなかなか大変かと思いますが、今回の学会には南アフリカの方も参加されていました。興味のある方は是非参加されてみてはいかがでしょうか。

WFOT

 

⑤◆職場紹介◆

 

『訪問看護ステーション青葉』

及川貴枝

【施設紹介】
《スタッフ数》 看護師 3名、理学療法士 4名、作業療法士 2名
《業務内容》 利用者様のご自宅や有料老人ホーム・高齢者専用賃貸住宅等の施設へ訪問しバイタルチェック、身体機能・ADLの評価と練習、環境調整(福祉機器の紹介・導入、家具の配置検討)などを実施。
その他に訪問施設職員への実技指導など。
《対象疾患》 脳血管疾患、廃用症候群、骨折等の整形疾患、呼吸器疾患、悪性腫瘍、神経難病(パーキンソン病、ALS、皮膚筋炎、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症)等
《職場の位置》 石巻市立青葉中学校となり、第二恵仁ホーム内

【リハビリの紹介】
石巻市では市町村合併で市の面積が拡大し、訪問リハビリの事業所は市中心部に集中しているため、広範囲への訪問が必要となっています。
そのため当施設では東松島市、登米市、雄勝・北上地区など片道約1時間の距離も訪問しています (要相談) 。

訪問地域内には震災により家を失い、仮設住宅に長く住まれている方や新しい住居に移った方が多くいらっしゃいます。
そういった方々の生活には、仮説住宅の広さの問題から利用できる福祉機器が制限されたり、コミュニティを移ったことで活動や交流の幅が狭くなったりと被災地独特の問題がみられます。
外に出て人と係る機会が少なく、話し相手として必要としている方も多いため、話すことや聞くことも重要な仕事となります。
限られた環境の中で利用者様やご家族様がより生活しやすいよう、各家庭に合わせた工夫をしながら指導・支援を行うよう努めています。

施設内には看護師とリハビリ職員が同室にいるため、訪問の前後でコミュニケーションを図れる連携のとりやすい環境となっています。
職員同士で地域のイベントに参加するなど交流も多く、日々楽しく仕事を行っています。

職場紹介

<住所>
〒986-0853 石巻市門脇一番谷地57番地の18
TEL:0225-21-8207 HP:http://www.jinmei.or.jp/saito/index.html

 

⑥◆つぶやきコーナー◆

 

『5年目を迎えて感じること』

大崎市民病院鳴子温泉分院 大場郁美

気が付けばあっという間に5年目。
この原稿依頼のお話をいただいて改めて振り返ってみると、仕事を覚えることにただただ必死だった1年目を思い出しました。
多岐にわたる仕事内容から自分に何ができているのか分からず、作業療法ってなんだろう?と悩む毎日だった気がします。

私が作業療法を知ったきっかけは、福祉関係の仕事に就きたいと探していた時に、以前准看護師をしていた母が教えてくれたのが最初でした。
その後看護師をしている祖母の仕事先に作業療法士がいることを知り、見学をさせてもらったり、友人が理学療法士を目指していることを知ったりとまったく知らなかったリハビリ、作業療法士という仕事が身近なものになりました。

就職してすぐは回復期病棟の専従として様々なことを経験させていただきました。
基本的な技術や関わり方、カンファレンスやご家族との面談など初めてのことばかりでしたが、日々変化していく患者様をみて、成長しなければという思いが強くなりました。

今年度で5年目を迎え改めて感じることは、「人」を相手にすることの責任の重さです。
一人ひとりの思いや長年の生活スタイルがあり、その中に自分が関わることはとても難しいことだと感じています。
また、患者様ご本人はもちろん、その周りを取り囲むご家族や医師、看護師、ケアマネジャーなど様々な方と関わりを持つ中で、自分の一言、行動が自分の思っている以上に周りに影響を与えていたり、逆に上手く伝わっていなかったりすることも多く、伝える内容やタイミングなどには毎回苦戦しています。

「作業療法士として自分に何ができるのか」は常に自分のテーマとなっていますが、技術の向上はもちろん、日々の会話を大切にし、患者様が自然と「~したい。」と話せるような関わりをしたいと思っています。
自分を支えてくださる方々に感謝し、これからも患者様とともに挑戦しながら成長していきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。

 

⑦◆編集後記◆

 

先日、10月に行われる第16回宮城県作業療法士学会の演題登録を終えました。人前で発表するのは苦手な私ですが、上司や先輩方の勧めもあり、また、今年でOT4年目ということもあり、発表する機会を作ろうと決めていました。今年は職場の中でも新人指導や学生指導をやらせていただくポジションで、伝えることの難しさを日々実感しています。これから発表の準備をしますが、下半期も自分のいいたいことを人に伝える術を深く考え、悩む日々になりそうです! 義野

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